売れるLPをつくるために──企業がランディングページ制作で押さえるべき8つのポイント
2025.7.11
WEB制作

「商品やサービスを売りたい」「資料請求を増やしたい」「問い合わせ件数を上げたい」──。
このような明確な目的をもって、企業がランディングページ(以下、LP)を制作するケースは年々増えています。
しかし、単におしゃれなデザインを施しただけでは成果は出ません。LPは「結果を出すための設計」がすべて。
本記事では、企業がLP制作を行う際に押さえるべきポイントを8つに分けて解説します。
1. 目的とKPIを明確にする
LP(ランディングページ)の制作において、最も重要かつ最初に取り組むべきことは「目的の明確化」です。
なぜなら、目的が曖昧なまま制作を進めてしまうと、コンテンツの方向性がブレてしまい、最終的に「誰のための、何のためのLPなのか」が伝わらないものになってしまうからです。
たとえば、企業がLPを制作する目的には、次のようなパターンがよく見られます。
- 商品を購入してもらいたい(コンバージョン=購入)
例:ECサイトでの新商品の販売促進ページ - サービス資料をダウンロードしてもらいたい(コンバージョン=資料DL)
例:BtoBのSaaSサービスや業務支援ツールなど - 無料相談・問い合わせを増やしたい(コンバージョン=問い合わせ)
例:法律相談、制作会社、士業などのサービス業 - メールマガジンや会員登録を促したい(コンバージョン=登録)
例:定期的な情報提供を軸としたリードナーチャリング施策
これらの目的の違いによって、LPの構成、キャッチコピー、使用するビジュアル、CTA(行動喚起ボタン)の内容まで大きく変わってきます。
つまり、目的を最初にしっかり定めることで、その後の設計全体がブレることなく、一貫性を持って進行できるのです。
また、目的とあわせて重要なのが「KPI(重要業績評価指標)」の設定です。
KPIとは、目的達成に向けた中間的な評価基準であり、「LPがどれだけ機能しているか」を数値で測るための指標です。
たとえば、以下のようなKPI設定が考えられます。
- CVR(コンバージョン率)を3%以上にする
- 月間資料請求数を100件に到達させる
- LPからの問い合わせ率を前月比+30%にする
- 滞在時間を平均2分以上にする
- CTAクリック率を5%以上にする
KPIは現実的で、かつ具体的な数値であることが重要です。
あまりに高すぎる目標を掲げてしまうと、チームのモチベーションが下がる原因になり、逆に低すぎると改善意欲が湧きません。
さらに、KPIは「計測可能な形」にしておく必要があります。
Googleアナリティクスやヒートマップ、フォーム分析ツールなどを活用して、定期的に数字を追い、課題点を洗い出し、改善施策に繋げていきましょう。
言い換えれば、目的とKPIは、LP制作の「地図」と「コンパス」のようなもの。
この2つがしっかり定まっていれば、たとえ途中で方向修正が必要になっても、目的地から外れることなく、成果を出せるLPをつくることができるのです。
2. ペルソナを定義し、共感されるストーリー設計を
効果的なLPをつくるためには、「誰に向けて発信するのか」を明確にすることが不可欠です。
そのための基本ステップが「ペルソナの設定」です。
ペルソナとは?
ペルソナとは、ターゲットユーザーをより具体的・詳細に落とし込んだ“架空の人物像”のことです。
「30代女性」や「会社員」などのように大まかなターゲット設定にとどまらず、「〇〇市在住の35歳女性。中学生の子どもがいる主婦。最近、肌のたるみが気になり始めている」など、細かな生活背景や悩み、価値観まで踏み込んで設計することがポイントです。
ペルソナを明確にすることで、以下のようなメリットがあります。
- 訴求メッセージに一貫性が出る
- コンテンツ制作時に迷いが減る
- ユーザー視点に立った構成がしやすくなる
- 社内や制作チームとの認識齟齬を防げる
ペルソナ設定の項目例
以下のような項目を設定すると、リアリティのある人物像が描けます。
- 年齢/性別
- 居住地
- 職業・年収・役職
- 家族構成/ライフスタイル
- 日々の悩みや課題(感情面・行動面)
- 情報収集の手段(SNS、検索エンジン、口コミなど)
- 購買に至るまでの心理変化
たとえば、化粧品のLPであれば「年齢肌が気になりはじめた30代後半の女性」「SNSよりも口コミやレビューを重視する」「仕事と子育てで忙しく、手軽に使えるものを好む」などの情報を基にメッセージを組み立てると、リアルな響きを持つコンテンツになります。
「私のことだ」と思わせるストーリー設計
ペルソナを設定したら、その人物が自然とページに引き込まれるような「ストーリー構成」を考えていきます。
多くのLPで成果を出している構成が、以下のような流れです。
共感 → 問題提起 → 解決策提示 → 商品紹介 → 行動促進
1. 共感
「こんなことで悩んでいませんか?」という問いかけや、ペルソナの抱える日常的な不安・不満を代弁することで、ユーザーの興味を引きます。
2. 問題提起
「実はその悩みの原因は、◯◯にあるのです」など、ユーザーがまだ気づいていない根本的な問題を提示し、課題の深刻さや解決の必要性を示します。
3. 解決策提示
「そんな悩みに応えるのが、この◯◯です」として、自社の商品やサービスがどのように問題を解決できるのかをわかりやすく伝えます。
4. 商品紹介
スペックや機能を紹介するだけでなく、「使うことでどんな未来が得られるか(ベネフィット)」をイメージできるように設計しましょう。
5. 行動促進(CTA)
「今すぐ試してみる」「無料でダウンロード」など、具体的な行動をわかりやすく提示します。
感情に寄り添うことがLPの価値を高める
テクニカルな情報や論理的な説明だけでは、ユーザーの心は動きません。
とくにBtoC向けのLPでは、**「感情への共感」→「納得感のある情報提供」→「安心して行動できる訴求」**という流れを意識することで、反応率が大きく変わってきます。
「誰に」「どんな気持ちで」「どんな場面で」この商品やサービスを届けたいのか──。
ペルソナを設定することで、LP全体に“語りかける力”が生まれ、結果として「共感されるLP」に仕上がっていきます。
3. ファーストビューで印象を決定づける
ランディングページ(LP)の成果を左右する最初の分岐点──それが「ファーストビュー」です。
ファーストビューとは、ユーザーがLPにアクセスした瞬間、スクロールせずに最初に目にする画面領域のことを指します。
この限られたスペースで「続きを読みたい」と思わせられるかどうかが、ページ全体の成果を大きく左右します。
ファーストビューの重要性
現代のユーザーはとても“せっかち”です。
スマホやパソコンで何かを検索したとき、ほとんどの人が3秒以内に「自分に関係があるかどうか」を判断しています。
もしその瞬間に「このページは自分には関係ない」と感じれば、すぐに離脱されてしまうのです。
つまり、ファーストビューの設計は「3秒の勝負」です。
ここで印象を掴めなければ、いかに優れた商品やストーリーを用意していても、読まれることすらありません。
ファーストビューで押さえるべき3つの要素
効果的なファーストビューには、以下の3つの要素が必要不可欠です。
① キャッチコピー:悩みに刺さる一言を
ファーストビューで最も目を引くのが「キャッチコピー」です。
このコピーには、ユーザーの悩みや欲求に“ズバリ”と答える力が求められます。
たとえば:
- 「朝の肌悩み、たった1分で解決できます。」
- 「SNS運用に疲れたあなたへ。広告に頼らない集客術とは?」
- 「“書けない”を“書きたくなる”に変える、AIライティングツール。」
どれも共通しているのは、「このサービスが自分の悩みを解決してくれそう」と瞬時に伝わること。
とくに重要なのはベネフィット(ユーザーが得られる具体的な価値)を中心に据えることです。
② ビジュアル:見た瞬間に伝わる「印象設計」
キャッチコピーと並んで重要なのが「ビジュアル」です。
ファーストビューで表示される画像・写真・動画は、言葉以上に直感的な印象を与えます。
理想的なのは、ペルソナが「これは自分のことだ」と感じるようなビジュアル。
たとえば、美容系LPであれば、同年代の女性モデルを起用する、ビフォーアフターの効果を一目で伝える、悩みが解消された“理想の状態”を映す──といった工夫が有効です。
ビジュアルは感情に訴える重要な要素。
「どう見せれば“共感”や“期待感”を引き出せるか?」を意識しましょう。
③ CTA(行動喚起):すぐ行動できる設計に
ファーストビューには、ユーザーがすぐにアクションを起こせるよう、わかりやすいCTAボタンを設置することも大切です。
CTAは「今すぐ試す」「無料で資料をもらう」「30秒で完了」など、行動のハードルを下げる工夫を盛り込むと効果的です。
また、視覚的に目立つボタンカラーやアニメーションなども、クリック率向上に貢献します。
さらに、CTAの周囲に「安心材料(無料/登録不要/返金保証など)」を添えることで、ユーザーの不安を和らげることもできます。
ファーストビューで信頼感まで伝える工夫を
ファーストビューは単なる「入り口」ではなく、信頼の第一歩でもあります。
企業ロゴや受賞歴、第三者の評価(レビュー数、導入実績)などを小さく配置しておくと、「ちゃんとした企業が運営している」と感じてもらいやすくなります。
3秒で「自分ごと化」させることが鍵
ファーストビューの目的は、ユーザーに「このページは自分に関係ある」と感じさせ、次の情報へ自然と導くことです。
キャッチコピー、ビジュアル、CTAを通して、共感・興味・行動意欲を引き出す構成を意識することで、LP全体の成果が大きく変わってきます。
言い換えれば、ファーストビューの完成度が、LPの“成否”を左右するといっても過言ではありません。
「伝える」だけでなく「感じさせる」──そんなファーストビューを目指しましょう。
4. 説得力のあるコンテンツ構成にする
どれだけ魅力的な商品やサービスでも、ユーザーはすぐに行動してくれるとは限りません。
「これは本当に信頼できるのか?」「自分にも効果があるのか?」「他と何が違うのか?」──
ユーザーは、ページを見ながら常に心の中でこうした“疑問”や“迷い”を抱えています。
だからこそ、ランディングページ(LP)には、そうした不安をひとつずつ解消し、納得へと導く**「説得のための材料」**をしっかりと盛り込む必要があります。
ここでは、LPに必ず入れておきたい説得要素と、それぞれの役割・設計のコツを解説します。
商品・サービスの特長は「メリットで語る」
まずは、サービスや商品の特長をしっかり伝えることが基本ですが、単なるスペックや機能の羅列ではユーザーの心は動きません。
たとえば、
- 「この化粧水はヒアルロン酸配合です」ではなく、
→「ヒアルロン酸配合で、乾燥による小じわをケアします」 - 「このツールはSNS連携が可能です」ではなく、
→「SNS連携で、投稿管理を一括で効率化できます」
といったように、「それを使うことで何が得られるか?」というユーザー目線のベネフィットを明確に打ち出すことが重要です。
読む人が「自分に関係がある」「欲しい」と感じるポイントを掘り下げましょう。
実績の提示で「選ばれている安心感」を演出
数値やデータに裏付けされた実績の提示は、ユーザーの信頼を大きく後押しします。
- 累計販売数
- 利用者数
- 導入企業数
- 顧客満足度
- 業界シェア
これらの実績があれば、積極的に見せましょう。
ただし、単に数字を並べるのではなく、「第三者の視点で認められていること」を伝えるのがコツです。
例:
- 「導入企業3,000社突破!」→「業界トップ企業を含む3,000社が導入」
- 「お客様満足度92%」→「実施したアンケート調査で92%が“満足”と回答」
このように、“誰が”“どう評価したか”を具体的に伝えると、より信頼性が高まります。
お客様の声(レビュー・口コミ)で共感と安心を与える
ユーザーは企業の言葉よりも、「実際に使った人の声」に大きな信頼を置いています。
そのため、お客様の声や口コミ、レビューはとても重要な説得材料です。
特に効果的なのは、自分と似た立場・悩みを持つ人の声です。
たとえば「30代女性/乾燥肌に悩んでいたが、このクリームで改善された」「初めての人でも分かりやすく、安心して導入できた」など、リアリティのある声を掲載しましょう。
顔写真や年齢、職業などが添えられていると、さらに信頼度が高まります。
ビフォーアフターで“変化”を可視化する
とくに美容や健康、ダイエットなどの分野では、ビフォーアフターの事例は非常に説得力があります。
数値や写真、具体的な変化を見せることで、ユーザーは「自分にも効果があるかもしれない」と感じられるようになります。
たとえば、
- 使用前:肌の赤み/使用後:なめらかにトーンアップ
- 導入前:作業時間4時間/導入後:1時間に短縮
このような“成果”の提示は、ただの説明以上に、感情を動かす力を持ちます。
料金体系は「シンプル・わかりやすく」
価格表示は、ユーザーの不安を払拭する大事なポイントです。
複雑な料金体系や曖昧な記載は、離脱の原因になります。
以下を意識して明示しましょう。
- 月額制 or 買い切り型など、プランの違い
- 初期費用の有無
- 無料期間・キャンペーンの案内
- 契約期間の縛りの有無
できれば価格とあわせて「費用対効果」が伝わる説明を添えるとより親切です。
安心材料でユーザーの背中を押す
最後の一押しとして有効なのが、「安心材料」の提示です。
これにより、ユーザーは心理的なハードルをぐっと下げて行動しやすくなります。
- 返金保証(◯日間の全額返金制度あり)
- サポート体制(導入後の無料サポートつき)
- セキュリティ対策(情報保護の体制/SSL対応)
- 信頼マーク(受賞歴、認証バッジ、掲載メディア)
「安心・安全に利用できる」という情報は、ユーザーの行動に大きな影響を与える要素です。
論理と感情、両方に訴える構成が成果につながる
LPは論理だけでも、感情だけでも成果を上げるのは難しいものです。
「数値やデータなどの“理屈”」と「共感や実体験による“感情”」の両面からアプローチすることで、ユーザーの信頼と納得を得られ、最終的な行動(コンバージョン)につながっていきます。
「なるほど、理にかなっている」と思わせ、「なんだか良さそう」と感じさせる──。
このバランスを意識したコンテンツ構成こそ、成果の出るLPの核心といえるでしょう。
5. CTA(行動喚起)を適切な位置と回数で配置
LP(ランディングページ)の最終的な目的は、ユーザーに「行動を起こしてもらうこと」です。
その行動とは、購入、資料請求、問い合わせ、登録など、企業側が意図するコンバージョンにつながるもの。
そのために必要不可欠なパーツが「CTA(Call To Action=行動喚起)」です。
CTAとは、ユーザーに次の一歩を促すボタンやリンク、バナーなどを指します。
ページを読んで「なるほど、良さそうだ」と感じたタイミングで、すぐに行動できるようにすることで、離脱を防ぎ、コンバージョン率(CVR)を高めることができます。
CTAは「1つだけ」では足りない
よく見られる失敗の一つに、「ページの一番下にだけCTAを設置している」というパターンがあります。
しかし、ユーザーは必ずしも最後までページを読み進めてくれるとは限りません。
むしろ途中の段階で「やってみようかな」と思う瞬間があるため、その“熱”が冷めないうちにCTAを提示することが重要です。
つまり、CTAは1つだけでなく、ページ全体に複数回、自然な流れで配置するのが基本です。
効果的なCTA配置ポイント
以下は、CTAを設置するのに適した代表的な位置です。
- ファーストビュー(ページ最上部)
→ 最初のインパクトで直感的に「試してみたい」と思った人向け。
→ スマホ表示では特に目立つ位置に。 - サービス・商品の特徴紹介のあと
→ 利用価値を理解した直後が行動のチャンス。 - お客様の声(口コミ・レビュー)のあと
→ 共感・安心を得たタイミングで一歩踏み出しやすくなる。 - 価格表・プラン説明のあと
→ 費用感に納得した後、すぐに行動につなげられる。 - Q&Aや安心材料のあと
→ 最後の不安を解消した直後に背中を押す。 - ページの最下部(クロージング)
→ 最後まで読んでくれた意欲的なユーザーへの最終案内。
このように、ユーザーの心理状態に合わせてCTAを“複数箇所に最適なタイミングで”設置することが、行動率を高めるための鍵になります。
CTA文言は「行動がイメージしやすい」表現に
CTAのボタンやテキストの文言も、非常に重要です。
「資料請求」や「申し込む」などの汎用的な表現では、行動の具体性やメリットが伝わりにくく、反応が鈍くなることがあります。
たとえば以下のように、行動のハードルを下げる・得られる価値を明確にする工夫が効果的です。
- 「無料で資料を受け取る」
- 「今すぐ試してみる(登録不要)」
- 「30秒で完了!まずは無料診断」
- 「この商品をチェックする」
- 「特典付きで申し込む」
また、「今すぐ」「期間限定」「あと〇名様」などの緊急性や限定感を添えると、ユーザーの背中を押す“動機づけ”にもなります。
CTAは目立たせる工夫も忘れずに
いくら文言や位置が適切でも、CTAボタンが目立たなければ意味がありません。
色や大きさ、余白、デザインを工夫して、ページ内で視線を集める“視覚的アクセント”にしましょう。
- 他のコンテンツと明確に区別できる色(ブランドカラーとの調和も重要)
- スマホでもタップしやすいサイズ感
- ボタン周辺に余白を設けて、埋もれないレイアウト
また、スクロールしてもCTAが追従する「固定CTAボタン」や、「ポップアップ型のCTA」なども活用できます。
とくにスマートフォンでは画面の縦長構造ゆえに、ユーザーがどこにいてもCTAを表示できる設計が有効です。
タイミング × メッセージ × 視認性が成果のカギ
CTAは、単なる「ボタン」ではなく、ユーザーの行動を後押しする**“最後の決め手”**です。
どこで出すか、何と書くか、どう見せるか──この3つがうまく噛み合って初めて、成果につながるCTAになります。
CTAは、「適切な場所に」「適切な内容で」「適切な形で」繰り返し設置し、ユーザーの心理の流れに沿った“自然な導線”を設計していきましょう。
6. デザインは「世界観」と「読みやすさ」の両立を
ランディングページ(LP)において、デザインは見た目の美しさだけで語れるものではありません。
「どんな世界観でブランドやサービスを伝えるか」という表現力と、「どれだけストレスなく情報を読み取ってもらえるか」という機能性の両立こそが、成果を生むLPデザインの真価です。
世界観を伝えるデザインとは?
ユーザーは、LPを開いた瞬間に「このサービスはどんな印象か?」を無意識に感じ取ります。
この第一印象を形づくるのが、「色」「フォント」「写真」「余白感」などのビジュアル表現のトーン&マナーです。
たとえば──
- 高級感を伝えたいなら: 黒やゴールドを基調に、余白を広く取ったミニマルなレイアウト
- ナチュラルな商品なら: 淡いトーンのカラー、柔らかいフォント、自然光を生かした写真
- ITツールやSaaSなら: シンプルで機能的な配色、UIを模したアイコンやイラスト
このように、ブランドやサービスのコンセプトを“視覚で伝える”設計が重要です。
特にLPは、初見のユーザーがほとんどであるため、短い時間で信頼感・期待感を与える世界観設計が成果に直結します。
読みやすさを意識した情報設計
どれほど世界観が魅力的でも、情報が“読みにくい”“伝わりにくい”ようでは本末転倒です。
LPは広告から流入するユーザーが多く、スクロールせずに離脱されることも珍しくありません。
だからこそ、視線の流れを意識し、ストレスなく読ませる工夫が欠かせません。
▼ 読みやすくするための具体的な工夫
- 見出しの使い分け(H1・H2・H3)
→ 情報の階層構造を明確にし、ざっと読んだだけでも内容が把握できるように - アイコンやイラストを活用
→ 内容の理解を視覚的にサポート。とくにスマホでは効果大 - 1セクション=1メッセージ
→ 情報を詰め込みすぎず、テーマごとにメリハリのある構成に - 余白(ホワイトスペース)をしっかり確保
→ 読み疲れを防ぎ、洗練された印象を与える - フォントサイズ・行間の最適化
→ 読みやすい文字サイズ(16px以上推奨)、1.5行程度の行間で読みやすく
スマホ対応(レスポンシブ)を前提に設計する
今や多くのLPは、閲覧の7割以上がスマートフォン経由というケースも珍しくありません。
PCで見たときの印象だけにこだわるのではなく、スマホでもストレスなく情報が届く設計が求められます。
スマホ対応で意識すべきポイント:
- テキストが読みやすいフォントサイズ(16px〜18px)
- ボタンやCTAのタップしやすいサイズと間隔
- 改行や画像の折り返しによるレイアウト崩れを防ぐ
- ファーストビューで最も伝えたい情報をコンパクトに表示
また、スマホでは縦スクロールが前提となるため、1セクションあたりの情報量を減らし、リズム感のある構成が効果的です。
「読ませる」と「伝える」のバランスが成果を生む
LPの目的は“情報を読んでもらうこと”ではなく、“行動してもらうこと”です。
だからこそ、デザインは「読ませるための設計」と「ブランドの魅力を伝える演出」の両輪で組み立てる必要があります。
- 世界観で惹きつけ
- 読みやすさで理解を促し
- 行動へと導く
この流れがスムーズに設計されていれば、ユーザーは迷うことなくCVへと進んでいくはずです。
7. 広告・SNSなど、流入元との連携を意識する
ランディングページ(LP)は、単体で完結するものではありません。
どれだけ構成やデザインを工夫しても、そもそもページを訪れてもらわなければ成果は出ません。
そこで重要になるのが、広告やSNS投稿、検索エンジン、オウンドメディアなどからの「流入施策」との連携です。
LPは「目的地」、広告は「入り口」
たとえば、ユーザーがSNS広告をクリックしてLPに訪れるまでを旅にたとえると、広告は“入り口”、LPは“目的地”です。
このとき、広告で「プレゼント付きキャンペーン開催中!」と訴求していたのに、LPではその案内がどこにもない──そんな“情報のズレ”があると、ユーザーは不信感を抱き、すぐに離脱してしまいます。
つまり、広告や投稿でユーザーに提示した「約束」と、LPのファーストビュー以降の内容が矛盾しないことが非常に重要なのです。
訴求ポイントの一貫性が成果を左右する
以下のような点で、「広告」と「LP」のメッセージや構成を一致させましょう:
キーワード(悩み・ニーズ)
広告で「忙しい人でも3分で使える」などの訴求をしているなら、LPでもその時短性を冒頭から強調する必要があります。
検索連動型広告(リスティング広告)で「乾燥肌 化粧水」などのキーワードを使っているなら、LPでも「乾燥肌」に特化した設計が必要です。
オファーやキャンペーン内容
「初回限定価格」「期間限定プレゼント」など、広告で打ち出したキャンペーン情報は、LPでもファーストビューやCTA付近に明確に記載しましょう。
一貫していないと「騙された」「話が違う」と感じて離脱されてしまいます。
ビジュアルとトーン
広告に登場している人物や製品写真、フォントやカラーのトーンなども、LPと統一感を持たせることで、違和感なく情報を受け取ってもらえます。
特にSNS流入の場合、“世界観の統一”が離脱率を抑える鍵になります。
流入元ごとにLPを出し分けるのも効果的
ユーザーの興味関心や心理状態は、「どこから流入してきたか」によって大きく異なります。
そのため、可能であれば流入元ごとにLPを出し分けると、より効果的な訴求が可能になります。
たとえば:
- リスティング広告経由:
→ 検索キーワードと連動した“課題解決型”の訴求が有効
(例:「乾燥肌をなんとかしたい」→“保湿力に特化”したLP) - Instagram広告経由:
→ 視覚的な世界観やブランド感を重視したストーリー型のLP
(例:モデルの使用シーン→ベネフィット→レビュー) - オウンドメディアからの流入:
→ すでにある程度知識を得たユーザー向けに、具体的なアクションを後押しする構成に
このように、ユーザーの状況や意図に合わせて「文脈」を設計し直すことで、同じ商品でも大きく成果が変わる可能性があります。
UTMパラメータや計測タグで成果の分析も忘れずに
各流入元との連携を最適化するためには、データ計測の仕組みづくりも欠かせません。
Googleアナリティクスや広告運用ツールを使い、以下のような計測を行いましょう。
- どの広告から来たユーザーがCVしているか(媒体別・キーワード別)
- 離脱が多いLPはどれか
- SNS投稿のどのパターンが流入につながっているか
これらのデータを分析し、LPの改善や広告クリエイティブの最適化に反映させることが、費用対効果の最大化に直結します。
ユーザー体験を「つなげる」ことでLPの価値が高まる
広告やSNS投稿は「興味を持ってもらう場所」、LPは「納得して行動してもらう場所」。
この2つが分断されていては、せっかくのマーケティング投資も無駄になってしまいます。
ユーザーがどこから、どんな気持ちでLPにたどり着いたのかを想像し、その気持ちを裏切らない“体験の一貫性”をデザインすることが成果のカギです。
8. 制作後の改善(PDCA)を前提にする
ランディングページ(LP)は「つくって終わり」ではありません。
むしろ、公開してからが本当のスタートといっても過言ではありません。
どんなに時間をかけて設計・制作したLPであっても、最初から完璧に機能するとは限りません。
ターゲットの反応を見ながら、デザインや導線、文言などを調整し、PDCA(Plan → Do → Check → Act)を回して改善を重ねていくことで、ようやく「勝てるLP」へと育っていきます。
改善を前提とした設計を意識する
改善の効率を高めるためには、LP制作時から**“検証しやすい構造”**にしておくことが非常に重要です。
以下のような観点で設計をしておくと、運用フェーズでの分析や変更がスムーズになります。
分析ツールの導入を前提にする
- ヒートマップツール(例:Microsoft Clarity, Hotjar, Mouseflowなど)
→ どこがよく読まれているのか?どこで離脱しているのか?を可視化できます。
スクロール率・クリック箇所・滞在時間などの視覚データは改善のヒントになります。 - Googleアナリティクス(GA4)やGoogleタグマネージャー
→ 流入元別のCVR、ページ滞在時間、離脱率などの数値データで課題を特定。
設定次第で「ファーストビューの表示時間」「CTAのクリック数」なども可視化可能です。
A/Bテストがしやすい構造にする
改善施策の中でも非常に効果が高いのがA/Bテストです。
A/Bテストとは、2つ以上のパターンを比較し、どちらがより成果を上げるかを検証する方法です。
テストが有効な項目例:
- キャッチコピーの文言(例:「今すぐ無料登録」vs「30秒で簡単登録」)
- CTAボタンの色や配置
- ファーストビューのビジュアル
- 導線の長さや情報量(短め vs 詳細に)
あらかじめ各パーツをモジュール化・ブロック化しておくと、A/Bテスト用の差し替えが容易になります。
改善サイクルを回すことで“成果の質”が変わる
PDCAを繰り返すことで、最初はCVRが1%未満だったLPが、改善を重ねて2%、3%、中には5%以上まで伸びることもあります。
たとえば次のようなステップで進めるのが効果的です:
- Plan(計画)
改善すべき課題を仮説立てする(例:ファーストビューが弱くて離脱が早いのでは?) - Do(実行)
改善案を適用したバージョンのLPを用意(例:ビジュアルとキャッチを差し替える) - Check(検証)
ヒートマップやGAで効果を比較し、どちらが優れていたかを数値で判断 - Act(改善)
効果があった改善点を反映し、さらに次の改善案を練る
このサイクルを1〜2週間、あるいは月単位で継続することで、LPは「生きた資産」へと成長していきます。
「感覚」ではなく「データ」で判断することが重要
LPの改善においては、主観的な印象だけで判断するのは危険です。
「このデザインのほうがオシャレ」「この文言のほうがしっくりくる」という感覚的な意見は参考になるものの、最終的な評価はあくまで“数字”で行うべきです。
具体的には:
- CTAのクリック率が上がったか?
- 滞在時間が伸びたか?
- 離脱率が改善されたか?
- CVRが上昇したか?
こうした指標をもとに判断することで、再現性のある改善フローを構築することができます。
「運用設計」もLP制作の一部である
成果の出るLPは、「公開して終わり」ではなく、「公開したあとにいかに運用・改善するか」まで見据えて設計されたページです。
そのため、制作段階からPDCAを回す前提で考えることが、成果を最大化する鍵となります。
「公開後に何を計測し、どのように改善していくか?」まで考えたLPは、競合に差をつけ、安定的に成果を生み出す“資産”になります。
まとめ:LPは「売れる仕組み」をつくる戦略的なツール
企業がランディングページ(LP)を制作する際に最も大切なのは、単に「見た目がきれい」「情報を並べただけ」といった表層的な要素ではなく、実際に成果を上げるための「戦略的な設計」です。
LPはただの「商品やサービスの紹介ページ」ではなく、企業のビジネス目標を達成し、売上や問い合わせなどの具体的な成果につなげるための強力なマーケティングツールであると認識することが必要です。
1. 明確な目的とターゲット設定
LP制作の出発点は、まず「何のために作るのか」という目的の明確化です。
購入促進、資料ダウンロード、問い合わせ増加、メルマガ登録など、目的が具体的であればあるほど、設計の軸がブレずに済みます。
さらに、その目的に対して**誰に届けるか(ペルソナ設定)**も具体的に定めましょう。
ターゲットがはっきりしていると、言葉遣いやビジュアル、訴求ポイントも的確になり、ユーザーの共感を得やすくなります。
2. ストーリー性のあるコンテンツ構成
LPは単なる情報の羅列ではなく、ユーザーが自然に興味を持ち、納得し、行動したくなる“物語”のような流れをつくることが重要です。
共感から問題提起、解決策の提示、商品紹介、そして行動喚起へとつなげるストーリー設計により、ユーザーの心理を段階的に動かしていきます。
これにより「ただの広告」から「心に響くメッセージ」へと変わり、コンバージョン率が大きく向上します。
3. 行動を促す適切なCTA設計
どんなに魅力的なLPでも、ユーザーに具体的な行動を促す仕組みがなければ成果は出ません。
そのため、CTA(Call To Action)ボタンは戦略的に配置し、文言も行動がイメージしやすく、魅力的なものにすることが不可欠です。
また、ユーザーの心理状態に合わせてページ内に複数設置し、迷わず次のステップに進めるように誘導しましょう。
4. デザイン・表現・導線の最適化
LPのデザインは、ブランドやサービスの世界観を的確に伝えつつ、情報を読みやすく整理することがポイントです。
美しさだけでなく、見出しやアイコンの使い方、余白の取り方、スマホ対応など、「ユーザーがストレスなく読み進められる導線設計」が重要です。
これにより、ユーザーがページを離脱せず、最後まで読み進めてくれる確率が高まります。
5. 運用前提での継続的な改善
LPは制作して公開したら終わりではありません。
ヒートマップやアクセス解析ツール、A/Bテストを活用し、ユーザーの動きや反応をデータで把握しながら改善を繰り返すことで、成果を最大化する“生きた資産”に育てていくことが肝要です。
数値に基づいてPDCAサイクルを回すことで、コンバージョン率は確実に向上します。
最終的にLPは、企業のビジネスを力強く推進する「成果につながる武器」
これらのポイントを丁寧に設計し、実践し続けることで、LPはただの情報発信ツールから、実際の売上や問い合わせと直結する戦略的資産へと変貌します。
競争が激しい現代の市場において、効果的なLPを持つことは企業の成長スピードを大きく加速させる強力な武器となるでしょう。
ぜひ、今回ご紹介したポイントを踏まえ、計画的かつ継続的な取り組みを進めていってください。
ビジネスの成功を後押しする、成果の出るLP制作に取り組むことが、企業の未来を切り拓く第一歩となるはずです。